海外の格闘技で段位やベルトシステムがあるものを調べてみる
今週のお題「運動不足」
6年半の運動不足解消のため、長男が小学校に入る春から何かやろうと画策中だが、今日は海外の格闘技や武術で段位やベルトシステムがあるものを探してみた。
日本でできる海外の格闘技・武術
日本だけでもかなりの種類があるが、それを世界に広げるととんでもなく多くなってしまう。日本でもある程度競技人口がいて、道場などもあると思われるものをピックアップしてみる。
武器を使わない格闘技
武器使用
- フェンシング
- アーチェリー
- ドイツ剣術
- エスクリマ、カリ
段位やベルトシステムがある海外の格闘技・武術は?
中国拳法
基本的には存在しておらず詠春拳や洪家拳にはない。段位や級の認定があるのは太極拳のみで、日本武術太極拳連盟が発行している「技能検定」という位置づけ。5級から順番に1級まで取得の上、学習期間が3年を過ぎて初めて初段の受験資格が得られる。要するに太極拳で初段を取得するには最短で3年ということになる。
東南アジア武術・格闘技
岡田准一がインストラクター資格を持っていることでも有名なエスクリマ(カリ、アーニスともいう)は団体レベルでは存在しており、段位は「Lakan」と呼ばれている。初段のことはLakan Isa(タガログ語で「1」の意味)と呼ぶ。日本ではモダン・アーニスという団体が認定している。
シラットもエスクリマと同じで、日本のアーバンシラット協会という団体が発行している段位・帯認定が存在。公式サイトによると、3級取得に1.5か月、2級取得に2.5か月、1級取得に3か月、初段取得に6か月がかかるとされている。つまり初段を取得するまでに必要最低限の期間は13か月程度である。
ムエタイは実際の試合が中心であるためか、段位などは存在していない代わりに、ボクシング同様プロライセンス認定がある。アマチュア大会で5戦以上したうえでテストに合格する必要がある。原則35歳までしか受けられない…とすると、自分の場合、ムエタイでプロライセンス取得するのはもう実質無理ということになる。
ヨーロッパ武術・格闘技
ヨーロッパ発祥武術としてまず思いつくのはフェンシングだが、フェンシングには段位に相当するものはない。モヤモヤさまぁ~ずで取り上げられたドイツ剣術も特にそういったものはないようだ。
オリンピック銀メダルを取り「中年の星」と呼ばれた山本博 氏や、安倍晋三首相も経験者ということで話題になったアーチェリー。アーチェリーに段位はないが、スターバッジという帯に近い制度はある。アウトドア・インドア・フィールドの種別、リカーブ・コンパウンド・ベアボウの部門別で、スコアに応じて交付されるものとなっている(TOEICみたい)。
最後はフランスの格闘技であるサバット。サバットは「カラー・グローブ」という帯に近い制度があり、ブルーからシルバーまで8種類存在している。
アメリカ・南米の武術・格闘技
ボクシングといえばプロライセンス。A~C級の3種類がある。が、有効期間は17~36歳までで37歳になると自動失効する仕組み。自分の場合、今から始めても取れるころには失効の年齢になっていると思われる。
レスリングには段位が存在している、ということまでは認識していたが、具体的にどうすれば取れるのかなどは調べてもよく分からず。自分がレスリングをやろうという気はないのでこれ以上は割愛。
ブラジリアン柔術は柔道がベースのため、段位・帯ともに存在。条件が複雑なので詳しくはこちら→ 帯制度 | 一般社団法人 日本ブラジリアン柔術連盟
ブラジルに奴隷として連れてこられた黒人たちが生み出したカポエイラも段位・帯のようなシステムが存在。団体によって段位・帯の定義が違うが、基本的にはAluno(アルーノ:生徒)、Monitor(モニトール:生徒長)、Instrutor(インストゥルトール:教官)、Professor(プロフェッソール:教授)、Contra Mestre(コントラメストレ:副師範)、Mestre(メストレ:師範)というピラミッド構造になっている。
ブルース・リーが生み出した超実戦的格闘技であるジークンドーは段位はなし。インストラクター制度のみ存在している。
ロシア・中東の武術・格闘技
帝政ロシアの軍人が柔道とボクシングを合わせて作ったのがサンボ。ソ連時代からは軍隊格闘技としても発展したサンボだが、サンボには段位や帯はない模様。
同じくロシアの軍隊格闘技として有名なシステマにも段位や帯はない。「全然痛くないです!システマやってるんで!」のピーマンズスタンダードの芸にもみられるような呼吸法による痛みの緩和や、マトリックスのような攻撃回避、合気道のような柔よく剛を制すタイプの攻撃を学ぶこと、学習を主眼に置いており、試合すらない。
最後にユダヤ人がナチスから身を守るために生みだした護身術クラヴマガ。中東で強力な軍事力を持つ母国イスラエルでは軍隊格闘技として採用されている。国際的にベルトシステムが存在している。レベルはベルトなしの1からブラックベルトの7まである。色々探ってみたが、日本でブラックベルトまで取得している人はかなり限られるようで、インストラクターでもレベル5ブルーベルトあたりがボリュームゾーンとなっているようだ。クラヴマガのブラックベルトは日本的な段位でいうと8段とかに相当するのかもしれない。